鼠径ヘルニアの種類

内鼠径ヘルニア

鼠径部の体の中心に近い鼠径三角という部分から腸が飛び出した状態が内鼠径ヘルニアです。とくに中高年男性に多くみられます。鼠径ヘルニアは自然治癒することはなく、根治には手術が必要で有効な薬剤も運動療法もありません。対処療法として用いられるヘルニアバンドは一時的に症状を軽減しますが、ヘルニアを外から抑えるため圧迫されて皮膚障害や睾丸委縮を起こす可能性があります。鼠径ヘルニアを放置していると嵌頓することがあります。嵌頓とは脱出した腸が元の戻らず、腸が虚血状態になることで、命に関わる恐れがあるため緊急手術が必要になります。鼠径ヘルニアの症状がある場合は、早めに受診してください。

外鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアの中で最も多いのが外鼠径ヘルニアです。鼠径部の外側がふくれて、内鼠径輪という「すきま」から腸が飛び出す状態です。この「すきま」が広がってくると腸が入り込み、陰嚢まで腸が脱出して嵌頓する可能性がでてきます。嵌頓とは、脱出した腸が脱出した腸が元に戻らず腸が虚血状態になることで、命にかかわることがあるため緊急手術が必要になります。
鼠径ヘルニアは自然治癒することはなく、根治には手術が必要で有効な薬剤も運動療法もありません。対処療法としてよく用いられるのが脱腸帯と呼ばれるヘルニアバンドですが、これは一時的に症状を軽減するだけで、皮膚障害や睾丸委縮を起こす可能性があり、あまり推奨されていません。したがって鼠径ヘルニアの疑いがある場合は、早めに医療機関を受診してください。

大腿ヘルニア

鼠径部下の大腿がふくらんで腸が飛び出した状態が大腿ヘルニアです。鼠径ヘルニアよりも嵌頓しやすいため、発症したら速やかに治療を受ける必要があります。出産を経験した高齢女性に多く見られる疾患です。発症すると鼠径部のやや下の部分にしこりが生じます。痛みを伴うことが多く、嵌頓することがあるので注意が必要です。嵌頓すると腸管の壊死が起きやすいため緊急手術が必要になります。大腿のふくらみに気づいたらなるべく早めに医療機関を受診してください。

閉鎖孔ヘルニア

骨盤にある閉鎖孔という「すきま」から腸が脱出する状態です。痩せている女性の発症が多くみられます。脱出していてもふくらみに気が付きにくいため、嵌頓した痛みで初めて気が付くケースもあります。
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