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2019.03.06

ヘルニア、脱腸が!

つい先日年が明け、節分が終わったと思ったらひな祭りまで終わってしまいました。本当に時間が過ぎるのは早いものです。お陰様で日々忙しく過ごしていると趣味の読書がなかなかできず、複雑な気分です。読書はなかなかできませんが、子供の読んでいる漫画、特に短編は短時間で読めるので気分転換には良いですね。先日手塚治虫先生の生誕90周年を記念したテレビ番組があったので、私が医師、外科医になるきっかけにもなった「ブラックジャック」を読み返しておりました。その中で、「でべその達」というタイトルがありました。内容は・・・

でべその達吉という青年がいて、幼少期より「でべそ」に加え、精神発達遅滞が有りいじめられてました。ただし、こと化石掘りに関しては天才的でした。ある恐竜の化石(後に「ゴルゴザウルス」という恐竜で実際にゴルゴ13が出演してます)を発掘する際に途中でヘルニアで一番怖い症状、「嵌頓(かんとん)」という命に関わるような緊急事態が起こってしまいました。ブラックジャックによる緊急手術で腸を一部切除し一命を取り留めました。しかし傷も回復していない状態でしたが、他の者にゴルゴザウルスの化石を掘らせると破損する可能性があるため、無理をしてしまいました。残念なことに化石の傍らで命を引き取りますが、本人は化石のそばにずっと居たいと願っており、本望だったと思われます。なんとその後、博物館でゴルゴザウルスの隣に1体の人体骨格標本が展示されていたという物語でした。

ストーリーも非常に完成度が高く、あらためて感動したのですが、更に感動したのは40年以上前にすでにヘルニアの緊急手術を題材に物語をつくった手塚治虫先生の才能です。

でべそ、いわゆる臍ヘルニアはそけいヘルニアとは発生部位が違いますが、同じような症状が出ますし、同じように「脱腸」と呼ばれております。現在は手術の質も向上しており、腹腔鏡日帰り手術で根治するまでになりました。

私もブラックジャックのように手術をして治療するだけでは無く、手塚治虫先生の様に人間味のある医師になりたいと改めて決意した2019年3月でした。